最近、ネット・プロモーター・スコア - Wikipediaいう言葉を耳にする機会が多くなりました。

Web ページを巡回しているとたまにダイアログが出てきて、NPS 調査っぽいアンケートが表示されることがあり、普及を実感します。
しかしながら全面に押したツールやライブラリを見ないので、エンジニア目線で、NPS 調査の Web 上で実施する際に必要な技術要素と実現するためのツールについて調べてみました。
結果を以下に記載します。


そもそも全面に出したツールがないのは何故か?

NPS toolNet Promoter Score tool 等で検索すると、Customer Feedback ToolSurvey Toolヒットします。
ともとこの文脈のマーケティングツールは存在していて、それらが NPS Survey も<wbr>できる<wbr>なっているような気がします。1


Web 上で実施する際に必要な技術要素

前提

必要な技術要素を考える前に以下の前提を置きます。

  • 必要なアンケート項目は事前に考えてあること
  • アンケート項目数は、1ページ、1ダイアログに収まる量であること
  • Web アプリケーションとは別にアドオンとして追加できること

技術要素

上記前提のもと、以下のような技術要素があると考えました。

  1. Web 上に Form を表示する。
  2. Web 上の Form のデータを取得、保存する。
  3. NPS のスコアを計算する。

調べた結果

All in One で 実施可能なツール、ライブラリ、技術要素ごとに使えそうなツール、ライブラリについて記載します。


All in One

一気通貫で1.2.3実施ができそうなツールについて記載します。

参考

日本語の記事で以下が見つかりました。
* NPS®️計測におすすめのツール3選 - サポートタイムズ

見つかったツール

  • SurveyMonkey
    SurveyMonkey は、アンケート項目として NPS があり、スコア計算まで行ってくれるようです。
    ネットプロモータースコア(NPS)アンケート | SurveyMonkey

  • Hotjar
    Hotjar も ポップアップダイアログで アンケートを表示でき、NPS のスコア計算まで行ってくれるようです。
    Introducing the new NPS timeline

  • LimeSurvey
    LimeSurvey には スコア計算を行う機能がありません。質問の項目として、5点尺度 、10点尺度があるのでこれを使ってアンケートは作成が可能です。
    LimeSurvey: the online survey tool - open source surveys
    少し古いですが、forum で NPS アンケートの テンプレートについての質問がありました。
    Net Promoter Score Survey Template ? - LimeSurvey forums 以下の記事から スコア計算を行う Google スプレッドシートのテンプレートを取得できるので LimeSurvey からデータを取り出して、自分で計算をするのかよいかと思います。
    How to calculate Net Promoter Score [excel template & formula]

  • Google Form
    Google Form でも NPS 調査のアンケート作成はできるかと思います。
    LimeSurvey と同様に 単純な集計までしか実施してくれないので、そこからは自身で計算を行う必要があります。
    スプレッドシートに結果のエクスポートができるので、エクスポートした後にスコア計算するとよいかと思います。


技術要素ごとに使えそうなツール、ライブラリ

1. Web 上に Form を表示する。

メインサイトに対して アドオンで追加できるようなツール、ライブラリとして以下が見つかりました。

動的にフォームを生成する

以下、動的フォーム生成ツールで Form の生成が可能です。
エンジニアとしては、直接実装して作成するのが早いですが、マーケターと分業を考えると必要な場面があるのかもしれません。

ダイアログを表示する

気になったものを幾つか記載します。

  • vex
    Hubspot の モーダルダイアログライブラリです。 テーマの切り替えで画面の表示位置がコントロールでき、ダイアログ内の入力項目のコントロールも可能です。

    • Githubのリンク
      vex
    • サンプル
      以前 vex のサンプルを作成しました。よろしければ以下ご確認ください。
      vex の使い
  • sweetalert2
    Github の repository 検索で多くスターがついていたライブラリです。
    sweetalert2/sweetalert2: A beautiful, responsive, highly customizable and accessible (WAI-ARIA) replacement for JavaScript’s popup boxes. Zero dependencies.
    個人的に以下 3 点 気になったので調べて見ました。

    • 表示位置のコントロール position の記載で表示位置のコントロールが可能です。
          Swal({
            position: 'top-end',
            type: 'success',
            title: 'Your work has been saved',
            showConfirmButton: false,
            timer: 1500
          })
      
    • ポップアップのアニメーション変更
      後、若干ポップアップのアニメーションが気に入らなかったのでコントロールできるのか確認しましたが、これもできるようです。
      Animate.cssいうクラスでアニメーションの css を指定できます。
      Swal({
              title: 'Custom animation Nothing',
              animation: false
      })
      
    • POST はできるのか
      肝心なことを記載していなかったですが、ダイアログのボタンクリックのタイミングで POST することができます。
  • nps-widget
    これは、NPS 調査そのものを実施する ダイアログを表示できます。Vue.js に依存しているので Vue.js を使用している場合、使うのはありかもしれません。
    satismeter/nps-widget: Net Promoter Score widget

  • ffrating.js
    NPS 調査 の スコアを記録できる JQuery プラングインです。
    Net Promoter Score Rating Plugin With jQuery - ffrating.js | Free jQuery Plugins

2. Web 上の Form のデータを取得、保存する。

ここは正直なんでもいいかと思います。
CSRF の対策を考えると、Web アプリケーション内に POST 可能なエンドポイントを作るのが良いかと思いますが、アドオン的に作り、セキュリティレベルがそこまで高くない情報であれば Google Apps Script を使うのがお手軽でいいのかと思います。以下、参考リンクを記載します。

3. NPS のスコアを計算する。

Github や Gist を見て気になったものを記載します。

Github を眺めて気になったもの

Github を net promoter score検索すると以下のような結果が取得できます。
Search · net promoter score
眺めていて気になったものを記載します。

Gist

計算だけしたい時もあるかと思いますので、実装されたコード片がないか探してみました。

一般的な計算方法について

実装コードを見ていて、スコア計算に流派がありそうに思いましたので、一般的な計算方法 について調べてみました。
NPSランキング&アワード - NPSソリューション | NTTコム オンラインネット プロモーター® スコアの定義と計算式 | SurveyMonkey見る限り以下が一般的な式のようです。

  • 計算式
    ランクが、0~6の人達を批判者、7~8 を中立者、9~10 を推奨者 として、(推奨者数 — 批判者数) / (回答者数) x 100 NPS スコア。

SUS (System Usability Scale)

NPS を調べる過程で知りました。
満足度の指標 で、NPS と併用すると相関があるので、合せて使えるなら使うのが良いのかと思いました。
以下、SUS に言及した日本語の記事になります。

以下は、Python の system usability scale (SUS) と、creativity-support index (CSI)スコア計算を行うためのツールです。


参考

調べていた際に見た記事へのリンクです。

NPS調査は、10段階だと思っていたのですが、正しくは11段階だと知れたのが個人的に良かったことです。
以上です。


  1. 必要な技術要素もそんなに変わりはないように思います。 

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